前編
果てしなく現れ出でる
アビスの魔物……
ひとり、またひとりと
家臣たちは死地におもむく
-アビスの核【コア】-
白金の大帝の消滅により、再び
セルマの前に現れし「心」……
脈々の血と魂は
魔王と化した少年の心を打ち砕く
そして示される一本の光の道
それは、終曲へと通じている
戦士たちへの鎮魂歌
-前篇-
ほーく:ゲラ=ハ……ここまでにしといてやるか……
げらは:ええ、キャプテンがそう言うなら……私はまだまだ戦れるんですが。
ぶっち:これ以上痛めつけるのも不憫だ。お…俺のような無敵の海賊は、一方的なイジメは……好まねえ。
傷だらけのホーク、ゲラ=ハ、ブッチャーと
無数の「門」
ほーく:こいつらがセルマを追っても、その頃にはもう、あいつは決着をつけているはずだ……
ぶっち:おめえら、よく働いた。褒美にくれてやる宝はないが、生まれ変わったら手下にしてやるぜ。
げらは:お断りします。
ほーく:さて……少しばかり疲れたぜ。俺は、先に寝ちまうからな。
げらは:お疲れ様でした、キャプテン。私もすぐ逝くきます。
門を見つめる瞳が閉じきろうとしたとき
???「ハハハハハハハハ!!」
崖の上にブラックとロビン親子の姿が!
ぶらっ:なんだ、もう死んじまうのか?無敵の海賊が聞いて呆れるぜ。
ほーく:ブラック……か?
ぶらっ:休んでな。残りは、俺とロビン親子で掃滅してやる。
ロビン:世界の破滅を阻止せんと戦う勇者を大群でなぶり殺しにするとは、許せん!
ぶっち:お前……誰?
ロビン親子:天知る、地知る、ロビン知る!邪悪を地にはびこらせる者どもよ、我らが成敗してくれる!!
崖から飛び降りる3人
ところかわって
はくぎ:家臣の死闘に思い乱れるのではなく、その働きを、自らの力に変えろ。今は一歩でも前へ…行け、セルマ。
せるま:はい、父上…!
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セルマ、キャット、エメラルド、ロックブーケと心だけの白銀・黄金がスタタタッと
ところかわって
黄京城とアビスナーガ
ぼるか:ウンディーネ……知っていたか?
うんで:……いいえ。
ぼるか:アビスナーガ、よもや、死すことで、さらに強大な力を得てよみがえる魔物とは……
うんで:おそらく、【破壊するもの】が死の力を与えている……
一瞬でも塵芥をも残さずに葬り去らない限り、何度でもよみがえり、尚も強固になる。
ぼるか:努力を惜しまず、学んだ。今、この世界に限れば、俺は最上位の術師……
だが、俺の術は通用しない。奴を倒すことはできない。
うんで:「今、この世界に限れば」……ね。
ぼるか:後戻りはできないぞ。
うんで:どちらにせよ、退路はないわよ。
ぼるか:しくじれば、俺たちは土くれに変わり、粉々になる。
うんで:朱鳥と玄武の奥義は結合し、天雷は、刹那のうちに万物を焼き尽くす凄まじき力を得る。
ぼるか:聖王十二将にして三傑、術士ヴァッサールが秘奥義【精錬の火炎】……
うんで:死を恐怖すれば、術が歪む。ボルカノ、意志も感情も捨て去り、力の純度を高めなさい。
ぼるか:忠告は、自分に向けてくれ。パートナーの失態で絶命……なんていう最期は迎えたくない。
ドーン!
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ドラゴンパンジーが猛威をふるう
えめら:何度、首を斬り落としても再生を繰り返す、異世界から来た大蛇……
きゃっ:ドラゴンパンジー……なんか、すごい怒ってない?ねえ、コウメイ、ほかに道はないの?!
そこに現れるナハトズィーガー
せるま:こ、これは……?!
教授:スーパーウルトラデラックスファイナルロマンシングフロンティアドラゴンマシーン!
こんなこともあろうかとナハトズィーガーを改良して最強マシンをつくっておいたのよ。
せるま:そんなものに乗ってどうしようって言うの?
教授:あの子たちもいなくなっちゃったし、火の輪くぐりさせたり、花びらむしったりもできないしねえ。
アルジャーノンと一緒に、こいつで奴にスペシャルダイナマイトな一撃をお見舞いしてくるわ。
せるま:ま、まって……!勝てっこないよ。いいから、降りて。
教授:あら?こいつの凶暴さを知らないのね。
アルジャーノン:チューチューチュ、チュッチュ、チューチューチュ!!!
教授:さようなら三角、また来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ、ウサギはバーニィ、
バーニィのところまでひとっ飛び!バイバ~イ、セルマ~!二度と会えないだろーけど、またね~♪
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傷だらけの七英雄
ふぉる:七英雄……いかに魔物を吸収し、肉体の強化をはかろうとも、しょせん、元は人間同様、かよわき獣……
我らはそれぞれ大軍団を率いる王侯、魔物を統べる支配者だ。軽挙妄動、あの世で身の程知らずを悔やめ。
メイルシュトロームを放つ
だんた:な、なんだ?!なにがあった?!真っ暗でなにも見えんぞ!
のえる:落ち着け……すぐに闇に目が慣れる。
おそらく、ここはフォルネウスの胃袋のなかだ。
だんた:なんだと?!俺たちは奴に食われたのか?!
わぐな:かつて魔海侯フォルネウスは、自らに従えと命じる魔王に激昂し、大渦を放ち、魔王を呑み込んだ。
だがその直後、フォルネウスは体内の魔王に肉体を支配され、敗北した……
のえる:探さねばなるまい……
魔王はいかにして体内よりフォルネウスを支配したのか。その攻略の手を掴まねば……
だんた:許さねえ!このダンターグ様を薄汚ねえ胃袋にぶち込むとは!このままでは済まさん!!
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ところかわってどこぞの原っぱ
シリルが現れる
シリル:あまりにも疾く、死が訪れる。アビスの闇に呑まれ、世界が死に絶えてしまう。
この世界を闇によって喪失すれば、彼らも在るべき世界に還ることなく、混沌の渦に喰らわれてしまう……
私の力では、一時的に奴を封じることしかできぬ。
木の実が光ってぶわーっ
シリル
セルマよ、お前はこれより
重苦の試練を与えられるだろう。
生命を繋ぐ帝冠を賜った者の宿命を……
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セルマ、キャット、エメラルド、ロックブーケと心だけの白銀・黄金がスタタタッと
せるま:……!!
きゃっ:どうしたの、セルマ?
せるま:エメラルド、止まって!!……なにか、来る……!
サルーイン登場
サルーイン:百万の傷より魔力が噴出する……神ですら、私を葬り去ることはできぬ。故に、かような未熟な封印を施された。
せるま:サルーイン……!なぜ、お前が……
さるー:お前には【破壊するもの】を倒せぬ。このまま進めば、待ち受けるのは滅亡と崩壊だけだ。
だが、私の申し出に従えば、家臣たちと世界は救われる。
選択の余地はあるまい。セルマ、私の心臓に突き刺さる忌々しき槍を抜け。
それで、私は魔力を取り戻す。……その先、わずか数域先の亜空間に私は在る。
私を解放しろ。破壊神たる私が【破壊するもの】を討ってやろう。
後編
メモなし★
破壊するものビーム!
せるま:オライオン!!
オライオン:ヘヘッ……すまねえな。こんなところでやられちまう予定じゃなかったんだけどな。
せるま:動かないで!そのまま、静かに横に……なぜ急に、あたしの盾になんか……!
おらい:おいおい、皇帝陛下様がそんな情けねえ顔をすんなよ。まるで誰かが死んじまうみたいだ。
大丈夫だって。俺は頑丈なんだから。ちょっと休めばすぐに良くなるって。
悪いけど先に行ってくれ。すぐに追いつくから……悪ぃな。……あぁ……なんか、眠ぃな……
せるま:ダ、ダメ!オライオン!目を開けて!オライオン!!!
オライオンの目が閉じる
せるま:勝てない……このままじゃ、みんな死んじゃう!!父上、どうしたら……?!
はくぎ:考えろ、セルマ。お前の命をどう使うか、決められるのは、お前だけだ。
せるま:……
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せるま:封印を解かれたお前が【破壊するもの】を倒すという証は?信じるに足る証拠を差し出せ。
さるー:……いいだろう。
この心の臓に突き刺さる槍は、エロールの創造の力を宿す。我が魔力を完全に封殺する。
これを告げたことこそ、我が心に偽りなきことの証。
万が一、裏切ることあれば、その槍で我が胸を貫けばよ良い。
せるま:……わかった。
さるー:賢い選択だ。さあ……槍を抜け。
サルーインに刺さっている?槍を抜くと次元が歪む
黄金の帝王
……幻影だ。
おうご:闇が見せる幻影だ。邪悪が、お前の心の弱さを侵し、サルーインにすがらせた。
敵が強大だから……自らが未熟だから……次はどんな言い訳を用意する?
おうご:我は生を享けた瞬間から、何百年にもわたる歴代皇帝の記憶と宿願を継ぎ、存在した。
私が何かを恐れ、何かを言い訳にし、あの時、死地より逃れていれば、すべての命を無駄にしただろう。
せるま:わかってる……そんなの、わかってる!でも……どうにもならない!
はくぎ:お前の命をどう使うか、決められるのは、お前だけだ。
おうご:だが、お前も私と同様、魂を継がれし者……その命、決して安くはない。
はくぎ:今こそ「命を使え」、セルマ。そこに、お前の「使命」が在る。
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ヴァッサールどーん!
ぼるか:術士ヴァッサールの秘奥義【精錬の火炎】……よもやここまでとは、な。
うんで:火竜は死の火焔旋風を巻き起こし、氷虎は瞬時に大海をも凍結させる。抑え込むことは難しいわね。
ぼるか:発動はできても制御ができぬか。自身の言ながら、「最上位の術師」が聞いて呆れる。
うんで:卑下する必要はないわ。暴走を抑えられなかった故、ヴァッサールもこの術を封印した。
ぼるか:このままでは、こいいつら、地上のすべてを喰らい尽くすまで暴れ狂うぞ。
うんで:ひとつだけ……術を止める方法があるわ。
ぼるか:やはり……ほかに手はないか。
うんで:術師が死ねば、元素の霊獣は消滅する。
ぼるか:まさか、モウゼス南北の術師として対立した俺たちが、協力して互いの息の根を止めることになるとは。
うんで:なかなか素敵な死に様ね。
ぼるか:いまさら、グダグダと長話をするような間柄でもない。いくぞ。
うんで:死に際ぐらい、ロマンチックに演出ができないのかしら、せっかちな男……
虎にやられるボルカノと
鳥にやられるウンディーネ
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げらは:声が聞こえなくなりましたね……ブラック殿も、仮面の男たちも力尽きてしまったようです……
ほーく:……ああ。
ぴかーん吟遊詩人登場
ほーく:この音楽は?聞こえる……なんだか……懐かしい響きだ。
げらは:はい、とても心地良い調べです。これはきっと、私たちへの鎮魂歌。神が贈りしレクイエム……
ぶっち:なあ、ホーク……
ほーく:口を閉じてろわ。死に際に、お前の牛蛙みてえな声を聞きたくねえ。この曲に抱かれて死にてえ。
ぶっち:てめえとは因縁がある。あの世で決着をつけようぜ。
ほーく:……そうか。おめえも思い出したのか。
ぶっち:いまわの際に、元の世界の記憶がよみがえるとは、酷だ。ったく、勘弁して欲しいぜ。
げらは:かえりたいですね……あの場所へ……あのときへ……
ほーく:ああ、たとえ再びサルーインと戦わなきゃならねえとしても……
在るべき世界に戻り、もう一度、レイディラックで大海原を駆け回りてえな……
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死食発生
誰かの一閃が
セルマに致命傷を負わす
きゃっ:え?!セ、セルマ!!!な……なんで?!!なんで、私がセルマを……?!
えめら:奴の仕業よ!闇の翼を得た【破壊するもの】は、邪悪の術で敵を混乱狂化させる…!
せるま:……やっぱり、敵わなかった。みんな……ごめん……ごめんなさい……
えめら:キャット、これで傷を押さえつけて!もっと、強く!
きゃっ:ダメ!!血が止まらない!!エメラルド、どうしたら……!!セルマが死んじゃう!!!
私……セルマを殺しちゃう!!ヤダよ……なんで、こんな……なんでよ!!!
えめら:キャット!!しっかりしなさい!!
ろっく:セルマ……まだ間に合うわ。あなたを吸収させて。
せるま:……え?
ろっく:吸収には適合性がある。あなたの力を取り込めば、私はきっと絶大な力を得られる。
けれど吸収されれば、肉体も自我も失ってしまう。それは「死」と同等……あなたは死ぬ。
せるま:……父上……
はくぎ:セルマ……お前なら、決められる。
せるま:……はい。父上、あなたより繋げられたこの命……
生命を繋ぐ帝冠を、私は今、ロックブーケに託します。彼女に皇位を継承します。
ロックブーケ……私を吸収して。そうして、この戦いを終わらせて。【破壊するもの】を倒して。
ろっく:……ええ。セルマ、あなたの魂と力は今、私に継がれる……
セルマちーん
今までの記憶が走馬灯のように…
セルマを吸収したロックブーケが…
-【七英雄vs四魔貴族】の結末-
フォルネウス
ぐがああああっ!!
は、腹がぁ……!!!
のえる:感じ取ったか、ワグナス……
わぐな:……ああ。だが、これはなんだ?恐怖する覚えるほどの圧倒的な力。我々にも一瞬、流れ込んだようだ。
だんた:体中に電流のようなものが走り、力がみなぎった。
のえる:ロックブーケだ。あいつは光明の存在を吸収し、不動の地に達した。極位に……
わぐな:……セルマか。
のえる:我が妹、自らが神話を体現するか……
ロックブーケ
世界に破滅が訪れる時、
同時に救世主になり得る者が誕生する。
伝説の【白銀の最終皇帝】だ。
セルマを吸収したロックブーケどーん
ロックブーケ(皇帝)が
真破壊するものを撃破
命を繋ぎ、生を捨て、
在るべき世界を取り戻した
今、別れの扉の向こう側へ……
--
惑星に扉がぽつぽつ出てきて
どーん!
ロマサガ1~ロマサガ3までの
懐かしのシーンとキャラクターが
ポンポンと出てくるシーン
それぞれのキャラクターが
それぞれの世界へと戻っていく…という
--
ところ変わって
エンペラーズサガの場面では…
双神が創造したとされる世界
--ゼノビア--
アルタメノス帝国
--宮殿・藤色の間--
セルマ:父上……父上!!!!
アレウス(白銀の皇帝):なんだ、セルマ?まだ陽ものぼっていな……
セルマ(子供):もしや、忘れたのですか!!?
あれう:え?
せるま:今日は、半月も前から一緒に手をつないで街のお祭りを見に行く約束を!
国事に励むばかりでたったひとりの大切な娘との約束事は忘却のかなたに?!
あれう:ま、まさか、忘れるわけがない。今ちょうど、まさにきっちり、起きようと思っていたところだ。
せるま:…………
あれう:セルマ、その目はやめなさい。人を疑うことは良くないことだ。父を白い目で見てはいけない。
せるま:だったら、早く起きて支度!ほら、早く!!
あれう:わかったから引っ張るな!セルマ、母上にキスだけ!出かける前にキスをしなさい!!
母親の姿が一瞬ぼやーっと
セルマ、
さあ、キスを……
ところ変わって
こちらは 荒廃した未来
-もうひとつの未来-
アウ:やはり、行くのか?
セルマ:数日で、ここも闇に侵される。もう、残された地はないわ。
スカイア:やっぱり、地中に潜るしかないみたいだね。
どのみち、羽を広げて自由に飛び回れる空はどこにもないから、いいけどさ。
せるま:いいえ。地下に逃れたところでいずれ闇に捕まる……
混沌の世界の戦士たちは戦った。けれど敗れ、その果てにこの深く烈しい暗黒は訪れた。
父上こそが始まり、そして……未来だった。だから、死なせてはならない。
時空を越え、父上を助けに行く。そうして、この【絶望】と【喪失】に支配された未来を変えてみせる。
もうひとつの未来を生み出すことができたなら、おそらく、私という存在は消える。
この地に戻り、お前たちと再び会うことはないだろう。
あう:多くの仲間が死んだ。たとえ、この世界が偽りであれ、俺の死に場所は、ここだ。
せるま:アウ、スカイア……さようなら、また別の世界で会いましょう。
祈ろう……
太陽と空と海を取り戻すために
そこに、どんなに苦しい
戦いが待っていようとも、
新たな真実の神話(SaGa)をつくろう