ほー:任せろ、サンゴ海は俺の庭だ。ブッチャー、お前は留守番でもしとけ。
ぶっ:ふざけるな!ホーク、てめえ、勝利の栄光を独り占めするつもりだな!オレは留守番などしねえぞ!
げら:お言葉ですが、帝国の領海を守るのも至極、大切な使命ですよ。私が留守番しましょう。
ほー:そうだな、帝国の海を守るのは大役だ。選ばれた海賊でなければ、務まらない。ならばここは、俺が留守番を。
げら:いえ、キャプテンは皇帝と共に行くべきです。留守は私にお任せください。
ほー:いいや、俺が残るぜ。
げら:私が残りましょう。
ほー:俺が残ると言ってるだろ。
ぶっ:……待て!やはり…点俺が留守番しよう。
ほーげら:どうぞどうぞ
ぶっ:……え?あ!貴様ら、俺をハメたな!
こうて:いい加減にしろ。【黄金の帝王】は、サンゴ海全域を猛者たちに守らせている。
海を知り尽くすお前たち海賊が、力を合わせなければ、奴らは倒せなん。
この戦いだけは、負けるわけにはいかない。
はー:【海賊大戦争】ってわけじゃな。わしも本来の力を取り戻せれば、協力してやれるんだがなぁ…。
こうて:ハーマン……いや、ブラック、お前の力も必要だ。私について来てくれ。
はー:だが、わしは……。ん?なにか考えがあるのか?よし。いいだろう、ついていこう。
きゃ:それじゃ~みんな、出発だよ♪野郎ども、船に乗り込め~~!
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きゃ:こ、こ、皇帝さん!……あれ、見て!
レイディラックの船の絵
ほー:レイディラック!?ブッチャーに沈められた俺の愛する船が!どういうことだ?!
えめ:沈没船が海を漂っているということは、……まぎれもなく、幽霊船です。
きゃ:ゆ、ゆ、ゆ、幽霊船!!?みんな、恐怖でパニックになっちゃダメ!冷静に!逃げて!海に飛び込むの!
えめ:キャット、あなたが完全にパニックよ。こんな魔物だらけの海に飛び込んだら、ぜったいに死ぬわ。
皇帝様、幽霊船を操るのは、おそらく【黄金の帝王】の家臣です。追いつめて倒しましょう。
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嵐!
はー:ん!!?くそっ!皇帝さんよぉ、デカい嵐が来たぜ!あいつぁ、ヤバい!
はー:ゲラ=ハ!全速全身、取り舵いっぱい!逃げろ!
ほーく:いいや、ダメだ!こいつは、ギャロンの亡霊が起こした呪いの大嵐!逃げられねえ!
あらしー
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こうて:いったい、ここはどこだ?ギャロンの嵐は、我々はどこへ……?
げら:見覚えがあります。ここは、我らゲッコ族の故郷アロン島沿岸の海洋……
ほー:伝説の海賊シルバーの財宝が眠る地……か。えらいところまで流されちまったな。
こうて:伝説の海賊シルバー?
ほー:かつて、サンゴ海を荒らしまわった大海賊だ。
真偽はわからねえが、財宝を隠した時には、数千の手下どもを皆殺しにしたらしいぜ。
げら:キャプテン!!今、一瞬、海面に影が!何者かが船底に!巨大な奴です!
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はー:どうだ、ゲラ=ハ?野郎はまだ船の下にくっついてやがるか?
げら:ええ。ぴったりと。まるで獲物を品定めしているかのようです。ハーマン殿、危険です。舳先から離れて。
ぴゃ
ほー:ゲラ=ハ!見たか!?今のは、フォルネウスだ!!野郎、じいさんを海に引きずり込みやがった!
皇帝!ハーマンのじいさんを追うぞ!おい、おめえらもさっさと海に飛び込め!じいさんを助けるんだ!!
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ろっく:これは……?!四魔貴族フォルネウスの海底宮か?だがなぜ、こんなところに?
せるま:サンゴ海に生まれようとしているアビスは、これまでのものとは規模も力も桁違い……
その力が、周囲の時空を狂わせている。
こうて:なんにせよ、ハーマンはこの海底宮に連れ去られた。救わねばならない。皆、乗り込むぞ。
ろっく:フォルネウスは四魔貴族のなかでも最強、かつて聖王をもっとも苦しめた魔物だ。皇帝、気をつけろよ。
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ほー:な、なに?!そのバンダナ……!お前、ハーマンじいさん……なのか?!
ぶら:わしは…オレはついに若さを取り戻した!見ろ、髪が黒い!皮膚もこんなに瑞々しく、ピチピチしている!
フォルネウスに奪われたオレの生気が!皇帝、今こそ、お前の役に立ってやる!若返ったオレ様は最強だ!
げら:大胆不敵の強奪と冷酷非情の殺戮、「温海にその人あり」とうたわれた
悪名高き海賊ブラックの完全復活ですね。
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こうて:ゲラ=ハ、悪いが、今はお前の故郷に用はない。サンゴ海に戻り、巨大アビスの出現を阻止しなければ。
ろっく:皇帝、どうやら、そうはいかぬようだ。ギャロンの呪いの嵐によって、この地に流されたのは「罠」だった。
せるま:【黄金の帝王】の家臣、六神将のシルバー!過日の幻影ではありません。真のシルバーの襲来です
こうて:ホークが言っていた大海賊……か。だが、あの船団はなんだ?手下は、皆殺しにしたはずでは?
ろっく:海賊の伝説など信じるに値しない。だが、真実が想像を超える場合もある。
シルバーは避けるべき敵だ。皇帝、逃げるぞ。
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ほうげき
ほー:くそったれ!まともに喰らっちまったぞ!ゲラ=ハ!どんな具合だ!?
げら:マストをやられました!船体に火が燃え移ったら、沈没します!
ぶら:シルバーが乗る船はどれだ?!オレ様が乗り込んで、奴の首をとってきてやる!
ほー:ブラックの旦那!落ち着きやがれ!それよりマストが大火事だ!水ぶっかけて火を消してくれ!
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しるばー
きゃ:な、なによ、これ?!!海賊シルバーのシルバーって、シルバードラゴンのシルバーだったってこと?!
ほー:まじいな、こりゃ……。俺たちはもう、ヘトヘトだ。こんな化け物、相手にできねえ。
ざんげき!
ぶっ:フンッ!留守番なんて性に合わないから追っかけて来てやったが…やっぱり、このブッチャー様がいねえと、クソだな。
ほー:ブッチャー、お前に助けられるとは、な。だが、危ねえところだった。今度ばかりは、お前に感謝するぜ。
ぶっ:……お、お、おう!当然だ!地にひれ伏して感謝しろ!!
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こうて:これは、本当にアビスなのか?!まさか、こんなにも巨大とは……!!
せるま:ここまで進行してしまっては、もう封じられない。父上、アビスに入りましょう。
こうて:アビスに……入るだと?なぜだ?
せるま:【黄金の帝王】はある者を手に入れるため、結界空間へと通じる、この巨大アビスを生み出した。
【黄金の帝王】がその者を手に入れれば、我々は太刀打ちできなくなる。その前に……
こうて:その者を倒せ……と?いったい、そいつは何者だ?
せるま:魔物たちの創造主であり……三邪神最強の破壊神、サルーイン。
サルーインだけは解き放ってはいけない。
サンゴ海に生まれた超巨大アビス……
皇帝は破壊神サルーインを倒すため
アビスに身を投じた
だが、サルーインを封じる大結界に
向かうアビスの闇は深く濃かった
恐れは邪悪を呼び
皇帝たちの心は闇に侵された
そして……
暴君と化した皇帝と無法者の家臣たちの
悪行が加速していく
次回
暴君!悪行の限りを尽くせ!
WANTED EVIL TRIO...