魔導士パブカを追い
ピドナの地に到達したセルマは
魔王殿より立ち昇る
邪悪な瘴気を目にする
その時、魔王殿では……
四魔貴族の結集のもと
魔王復活の儀が
なされようとしていた
魔王殿!四魔族、結集!
せるま:ブラック……ここは?
ぶらっ:トリオール海沿岸の都市ピドナだ。この街は、特異な歴史を持つ。
せるま:特異な歴史?
ぶらっ:数百年前には魔王、それからまた数百年後に聖王、どちらもがこのピドナを治めた。
故に、邪悪と神聖が混在する不思議な都になっちまった。
だが、なかでも格別の異彩を放つ不思議な遺跡……それが、あの【魔王殿】だ。
魔王殿ゴゴゴ
ほーく:パブカは、あの城に逃れた。だがどう考えても、こいつは罠だ。城内には、何者かが待ち構える。
さら:かつて魔王が砦とした【魔王殿】も、今は四魔貴族アラケスの牙城よ。でも、フォルネウスのあの言葉…
回想シーン
ふぉる(本体):それに、どうやら結集の時だ。貴様らと遊んでいる暇はない。次に会う時は、嬲り殺しにしてやろう。
ほーく:……ああ。四魔貴族すべてが結集していると考えるべきだな。
こいつはかなり、ヤバイぜ。ふつうに考えりゃ、一旦退いて、状況を見極めるべきだが……
うちのキャプテンにはお堅い理屈は通用しねえようだ。
せるま:とーぜん。今は攻め時よ。パブカをはっ倒して、その勢いで四魔貴族を叩く!
さら:【魔王殿】内部は、隠し扉や罠が張り巡らされ、複雑に入り組んでいる。私たちが案内するわ。
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とある回想シーン
……死にたくない……
助けて……誰か……!
黄金の帝王と酒場
おうご:……店員、なにか、言ったか?
いや、違うな……これは、次元を隔てた声か?お前は……誰だ?
七英雄(融合)と人が岩に貼り付けられたシーン
おうごん:……死の間際には、一瞬の安らぎと静けさが訪れると聞く。
最後の一瞬は苦痛から解放され、すべてを浄化する光に包まれ、死出の旅に……
だが、違うようだ。今の私に、光は見えない。
民の、私への恐怖と憎悪が荒れ狂う火焔となって、この身を焼き尽くそうとしている。
光を……この身に残る、わずかな光を絶やしてはならぬ。この光こそが、唯一の希望だ……
いずれ、おぞましき魔神と化す己を滅ぼすことができる唯一の光……今、切り離さなければ……!
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岩がごろごろ~鋭利な物で斬るが
セルマに当たるシーン
せるま:……くっ!
ほーく:セルマ!大丈夫か?!見せてみろ。
えめら:……かなり深いですね。傷が残ってしまうかもしれません。
ほーく:んなもん、気にするな。俺なんか全身傷だらけだ。傷は男の勲章だ。
えめら:セルマ様は女です!
せるま:たいしたことない。それに、ホークの言う通り傷は漢(おとこ)の勲章だ。
サラ、エレン、先を急ぐぞ。後ろの者たち、全力でついて来い!
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ビューネイ:雑魚を倒して勢いづいたか。だがそこまでだ。私が相手をしてやろう。
小娘、死にたくなければ最強の陣で挑むが良い。
ビューネイとの戦闘シーン。敗北
びゅー:私ひとり相手でこれでは話にならぬ。我ら全員が相手では、泣き叫び、命乞いするよりほかにない。
だが命乞いしても、殺すぞ。虫けらの分際でこの宮殿に侵入し、穢した罪は万死に値するからな。
ごごご階段が崩れる
びゅー:退路は奪った。さあ、始めるとしよう。我ら四魔貴族の、蹂躙の時間だ
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岩に貼り付けられた人がぴかぴかーと光り、丸い玉がどこかに飛んでいく
黄金の帝王(トモーミ):今……完全に光は失われた。
黄金の帝王(オリジナル):助けを求められたはずだ。
おうご(とも):………お前は?
おうご(おり):声を……聞いた。
……死にたくない…
助けて……誰か……!
おうご(おり):強く、勇ましくあらんとしている。だが、まだ子供だ。
おうご(とも):お前は……私なのか?
白銀の皇帝:名はセルマ……私の娘だ。あの子に危機が迫っている。黄金の帝王、お前の力が必要だ。
おうご(とも):私の身体を這う闇が見えぬか。毒蛇の刺青のごとき闇が、皮膚を這い回る。
最後の光を切り離した今、私はこの闇に抗う力を持たない。間もなく、私は完全に闇ら堕ちる。
はくぎ:お前の光は、ここに在る。私の、この胸に……。
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アラケス:何者かに術を破られ、パブカは弱り果てていた。生気は失われ、枯れ木のように……
奴はすでに殺されていた。貴様らは枯れ木を折ったに過ぎん。
ぐれい:ならば、パブカに代わって、お前が、血がたぎるような戦いをプレゼントしてくれるのか?
あらけ:七英雄の助けを得られぬ今、万に一つも、貴様らに勝利は無い。未来には、絶望だけが横たわる。
えれん:なにを……しようと?城より立ち上がる禍々しい瘴気……四魔貴族、お前たちはなにを企む!
あらけ:そこに在るのは宿命の子、不完全な出来損ない……か。だが、使い道はある。
我らが手を差し伸べてやれば、卑しい感情などは消滅し、己の宿業のみに生きる。
少年:まさか……!
あらけ:黄金の帝王、奴はなかなか使える男だった。
この世界から七英雄を排除し、多くの家臣を遺した。魔王となる素材をも……な。
最上階まであがってこい。荘厳な儀を見せてやろう。魔王復活の瞬間だ。
ないと:言われずとも、行く。だが、貴様らの、怪しげな儀式を見学するつもりはない。
せいぜい、見くびるが良い。黒い悪魔が、貴様らの驕り(おごり)を打ち砕き、屈辱的な死を与えてやる。
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ほーく:並行世界のサラと少年だと?!
えれん:ええ。間違いないわ。奴らは、別次元のサラと少年を使い、魔王復活を企んでいる。
せるま:どうやって?
えれん:わからない。でも本来、死食で生き残るべきは1人、宿命の子は1人でなければならなかった。
せるま:でも、あなたたちは二人とも……?
さら:そう……私たちは二人とも、宿命の子。
その間違いこそが、私たちを救った。でも、ビューネイたちは過去を歪め、ここに在る今を壊そうとしている。
えれん:サラと少年……どちらかを消し去り、摂理を取り戻す。そして再び、魔貴族は魔王を手に入れようと……
ばいめ:創造と破壊、相反する力を持つ2人の宿命の子……何者も、この子らの生命に触れることはできん。
互いを滅ぼすことができるのは、互いだけじゃ……。
さら:別の世界から連れて来られた私が、今、少年と戦っている。私……彼を殺そうとしている。
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エロール:黄金の帝王が与えた光は、すでにお前の魂と結びついている。光を還せば、魂そのものが消滅する。
魂の消滅……それは、すべての人からお前の記憶が失われるということだ
家臣たちの記憶から、お前の存在が消し去られる。なにもかもすべて、失われる。
お前の娘……セルマも二度とお前を思い出すことはない。お前が生きた証は消えてなくなる。
それでも良いのか?
はくぎ:私が生きた証……それはセルマの思い出のなかに生きることではありません。
セルマ自身が私が生きた証なのです。それだけで、私は十分幸福です。
えろー:……わかった。ならば、お前が望むように。
エロールぴかー
白銀よ、黄金のなかに還れ。
魂の燭台に火を灯し、
暗黒の洞窟をさまよう者の光となれ。
白銀の皇帝よ、
今、お前の魂は塵と化し、
新たな光が生まれた。
白銀とセルマ(子供)の絵がぱりーんと割れる
せるま:……!!
ほーく:どうした、セルマ?
せるま:……ううん、……なんでもない。
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せるま:………。
ぼるか:どうした?息つく間もなく駆け上がってきた。さすがに疲れたか?
せるま:ううん。……そうじゃないの。なんだか突然、心にぽっかり穴が開いちゃったみたいな……
うまく言えないんだけど、……不思議な感じなの。
ぼるか:どう不思議なんだ?
アガタ:だからそれを、「うまく言えない」って言ってるんでしょ。女の気持ち、わからないの?
ぼるか:そんなもの、研究したことはない。
あがた:セルマ様、女にはそういう時があります。
急に、なにもかもが虚しくなって、ぜんぶを投げ出したくなる……よくあることです。
気にすることはありません。きっと、すぐに元気を取り戻せる。
せるま:胸の奥にしまっていたあったかいものが、急に凍りついてしまったみたい……こんなの、初めて……
ほら……勝手に涙があふれてくる……アガタ、これもよくあることなの?
あがた:……セルマ様……
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とある戦闘シーン
敵の攻撃にセルマ以外がやられると…
急に誰かが乱入し、敵をすべて倒す
せるま:パブカの術を破り、あたしを底無しの泥沼から救ったのは、……あなたね? 何者なの?
白銀の大帝:名も記憶も持たぬ。私に在るのはただ、1人の女を守るという使命だけだ。
せるま:1人の女って?
はくぎ:お前だ。
せるま:………。ホーク、この人、ちょっと怖い。
ほーく:ストーカー的なアレかもしれん。セルマ、隠れていろ。ソウジ、こいつを退治するぞ。
ソウジ:かなりの手練と見た。悪いが、渾身でいかせてもらう。我が千手観音で減絶してくれよう。
はくぎ:私はおそらく、お前を守るためだけに生まれた存在だ。命尽きるまで共に戦う。
ぶっち:「命尽きるまで共に戦う」だあ~!勝手に決めるんじゃねえ!お前なんか必要ねえ!消えちまえ!
はくぎ:「命尽きるまで」とは言ったが、私はなかなか死なないから心配要らぬ。私は、とても強いからな。
ぶっち:お前の心配なんかしてねえんだよ!くそっ!なんなんだ、こいつあ!俺ぁ、無神経な野郎な大嫌いだ!
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せるま:ボルカノ……お前、いつそんな傷を負った?
ぼるか:女の気持ちというものは、研究が不十分だ。だがベアに、セルマの元気がないと伝えてみた。
せるま:へ???
ぼるか:すると……おそらく、顔に傷を負ったせいではなかろうかという意見が得られた。
やはり女が、顔に傷を負うということは並大抵な……
せるま:ちょっと待って!ボルカノ……なんの話?
ぼるか:皆が同じであれば、セルマも少しは気にしなくなるのでは?……という結論に至った。
せるま:ま、まさか、それであたしと同じところに傷を!?
ぼるか:…………そうだが?
せるま:バカ!あんた、バカでしょ!
ソウジ、ホーク、じいさん(元ネタわからず)、ベア
が同じところに傷をつけている
せるま:ほんと……みんな……バカみたい。
ぶっち:さ、行きましょう。間もなく最上階です。もう、ひと踏ん張りです!
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びゅーね:……残念。タイムアップね。
闇堕ち?した少年がアビスゲートの近くに
少年:僕は……サラを殺したのか?僕は……君を……?
さら:おびえないで。あれは、あなたじゃない。ほかの世界の存在、別人よ。
あらけ:さあ。行け、魔王よ。お前こそがアビスゲートを完全に開く鍵だ。
闇堕ち?した少年がアビスゲートの中に…
せるま:奴がアビスの核【コア】に達すれば、世界は死の宿星に喰らわれてしまう。ホーク、少年を追うぞ!
びゅー:言ったはずだ。貴様ら虫けらは、泣き叫び、命乞いするよりほかにない。
決して、魔王に触れさせはせぬ。この先は、我ら四魔貴族が立ち塞がろう!!