緋色の女帝は告げる ストーリー | エンサガDB

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管理人の殴り書きまとめ。

白銀の皇帝は、
ミルザの協力を得て
サルーインを封印した

だが、
帰還した世界では……

黄金の帝王の
眷族たる魔物たちの
殺戮が凄惨を極めていた

人類の抵抗の雄叫びは
諦めの嘆きに変わり
絶望が世界を覆った

やがて、人類は
破局の運命を受け入れた

そんな時……

度重なる戦いと打撃に
壊滅寸前に陥った皇帝軍に
ひとりの女が訪れた

緋色の女帝
継がれし光は、絆であり鎖
断ち切ることはできない
魂のつながり……

緋色の女帝は告げる

こうて:お前は……誰だ?護りは家臣が固めているはず。どうやって天幕まで?
ひいろ:名前は重要じゃないわ。黄金の帝王と同様、私は百万の名を持つから。
    あなたは知らなければならない。「その時」が来たの。これが本当に最後の戦いよ。
こうて:正体定かでない貴様を信じるほど愚かではない。命惜しければ、剣を捨てろ。
ひいろ:無理よ。私はここにはいない。実体はないの。
    黄金の帝王が在る世界では、私は実体を持てない。彼と私は、同一の存在だから。
こうて:同一の存在?
ひいろ:ついて来て。私が真実の扉まで道案内する。
    でもその扉の向こうで、あなたは重大な選択を迫られる。選ぶのはあなた……
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のえ:ロックブーケ、感じ取ったか?サルーインは皇帝に封じられた。だがこのままでは、皇帝は殺される。
ろっ:殺される?黄金の帝王に…ですか?
のえ:皇帝は今、黄金を追っている。だが、罠だ。待ち受けるのは百万の敵だ。
ろっ:でもお兄様、我らは皇帝たちを解放するために犠牲となった。
   あの時と同様、千年の間、この地に囚われる運命……我らに皇帝を助ける術はありません。
のえ:黄金はかつて、この塔に囚われていた。そして、奴はここを脱出した。
   であれば、この塔のどこかに必ず、時空の破れ…抜け穴があるはず。
ろっ:この塔に……黄金の帝王が?
のえ:我ら七英雄はかつて、別の次元で黄金に討たれた。奴こそ、最終皇帝……
すー:最終皇帝……その名は我らをつなぐ心臓を粉砕した者……
のえ:今、閉じ込められた記憶が、鮮明によみがえった。奴は、我らを打ち砕きし皇帝だ。
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きゃ:きゃあああっ!!皇帝さん!前も後ろも魔物だらけだよ!進むも地獄退くも地獄ってやつ?!
こうて:やはり、謀ったか。だが言ったはずだ。貴様を信じるほど愚かではない。
    心配するな、キャット。後方に隠密部隊を潜ませた。退却しつつ、合流するぞ。
ひいろ:ええ、これは黄金の罠よ。彼はあなたを誘き出し、仕留めるつもり。
    でも、退路に道はない。前進だけが、今のあなたの道。さあ、行くのよ。
こうて:……ならば、正体を明かせ。貴様の言葉が、信じるに足るものだと証明しろ。
ひいろ:言葉に価値を持たせるのは行動だけよ。それはあなたが一番よく知っているはず。
    あなたは、彼を倒すと言った。黄金の帝王を倒し、世界の滅びを食い止める、と。
    この道が、その言葉を実とするための唯一の道よ。それとも、あなたの言葉は空言?
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ろっ:我らは同胞に裏切られ、騙され、異世界に追放された。奴らを激しく憎み、復讐を誓った。
のえ:激しい憎悪に、己を見失った。我らは皆、怨毒に侵され、復讐の鬼神と化していた。
ぼく:囚われていた千年のうちに、下等であったはずの人間は進化していたと?
のえ:我らは人間の力を見誤った。人間の執念、幾代にもわたり継がれた魂の力を見くびった。
ろっ:お兄様、ロックブーケは今、はっきりと思い出しました。最終皇帝に討たれたあの瞬間を……
のえ:そうだ……我々の憎悪が黄金の帝王を生み出した。我々が奴を闇に堕としたのだ。
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ひいろ:さあ、入るわよ。永劫の塔に……
えめ:……バカな!あの塔は黄金の帝王の領域。自ら、囚われの身になれ、と?!
こうて:……七英雄を救い出せと?
ひいろ:いいえ。違うわ。この塔の中には、閉ざされた部屋があるの。
えめ:閉ざされた部屋?そこに、なにがあるの?
ひいろ:絶望よ。
えめ:……絶望?
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のえ:着え行く心臓の鼓動と共に、己のなかの憎悪と怨恨がゆっくりと消えていった。
ろっ:私たちの凄まじき怨念は、最終皇帝のなかに流れ込んだ。
だん:我ら七英雄を討つ……それは我らの闇を祓うということ。代わりに、奴は闇の犠牲になったか。
ろっ:おそらく、我らを討った後、最終皇帝のなかに流れた闇はゆっくりと静かに魂を侵していった。
だん:やがて奴は闇に支配された。噴き上がる暗黒の力を必死に抑え、悶え苦しんだ。
ろっ:人間は、黄金の帝王を恐れた。いずれ必ず抑え切れなくなり、破壊と殺戮の魔王になると考えた。
   そして……この塔に……。黄金は囚われとなった。
だん:奴ら皇帝が光の意志を継ぐに、闇もまた、継承されてしまった。
のえ:みんな、見ろ。時空の破れ……黄金が脱出した抜け穴だ。
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こうて:ここは……なんだ?この鎖は……?
ひいろ:英雄か、それとも魔王か……それを判断するのは、人民。
    彼は闇に支配された。でも、人民が信じれば、きっと救われた。
    彼はこの巨岩に鎖で繋がれた。でも彼を本当に苦しめたのは、飢えや乾きではなかった。
    死を賭して守ろうとしたはずの人民に信じてもらえなかった絶望。
    ここには……絶望しか無い。
こうて:……同情しろと?
ひいろ:いいえ。同情では倒せない。あなたは理解しなければならない。彼を理解し、葬る。
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のえ:ここは……どこだ?!空間が歪む……我らはどこに放り出された?!
ぼく:どうやら、我々は、黄金の罠に落ちたようですな。ここはおそらく、我らの過去……
わぐ:この光景、この沸き立つ血の匂いは忘れもせぬ。ここは、ターム族との決戦の時……
ふわわ~ん
サグザー:やはり、行くのか?最早、止めても無駄のようだな。
のえ:サグザー……、言ったはずだ。残された道は無い。我らがターム族を滅ぼしてみせる。
さぐ:英雄か、それとも魔王か……それを判断するのは、人民。
   だが、人の心は移ろいやすい。いずれ、ターム族への恐怖はお前たちに向かうだろう。
のえ:……わかっている。
さぐ:……承知の上、か。ならば、もう何も言うまい。さらばだ、ノエル。
のえ:サグザー、機会があれば、いつかまた……会おう。
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ひいろ:彼は今、この塔より脱出を図った七英雄を別の次元に弾き飛ばしたわ。
    でもそれは、七英雄を恐れての行動ではない。彼には恐れなど、無い。
    彼を滅ぼせるのは、あなただけ。彼はそれを知っている。
こうて:……どういうことだ?
ひいろ:絶望は、彼を完全な闇に堕とした。怒り、憎しみ、悲しみ、恨み……悪の想念が渦巻き、魂を黒く染めた。
    その魂から、完全に光が消え去ろうとしていた時、彼はひとつの決断を下したの。
    間もなく闇に堕ち、邪悪と化す自分を討たせるために、残された引かれを切り離す……
    彼は、必死に探した。時空を超え、自身から切り離した最後の光を継承できる者を……
    そうして、幼子を見つけた。自身を滅ぼすための光は、その小さな皇子に継がれた。
えめ:そ、その皇子様が…………皇帝様……?
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ひいろ:この扉の向こうに、彼がいるわ。
こうて:多くの命を犠牲にした。家臣たちの死が、私を生かした。私にはもう、迷いも惑いも無い。
    たとえ、お前に何を聞かされようと、私の意志は決して揺らがない。
ひいろ:継がれし光は、絆であり鎖。断ち切ることはできない
    闇を失えば、光も消える。黄金の帝王を討てば、……あなたも死ぬ。
    それでも、その扉を開けるの?
こうて:行くぞ、キャット、エメラルド。奴を斃(たお)すためならば、我が命などいくらでもくれてやる。

永劫の塔、
どす黒い邪気をまとう幽鬼が
周囲をさまよう深奥部……

皇帝はついに、
黄金の帝王と対峙した

死を決した皇帝と、
その家臣の魂の太刀は、
黄金の帝王を捕らえた

だが……

皇帝の剣の一閃が
黄金色の鎧を貫く瞬間、
その姿は消えた

黄金の帝王が消息を絶ち、
幾年かが過ぎた……

皇帝とその家臣たちは
魔物の殺戮と侵略に対し、
必死の抵抗を重ねていた

そしてここに
皇帝軍の砦を守る
ひとりの少女がいた

次回
皇位継承
-セルマ、誕生-

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