海の神ウコムに与えられた船に
乗り、ベント帝国を目指すシリウス達
しかし大海原へと舵を取った
彼らの船路に新たな敵が立ちはだかる!?
ニーサとエロールの助けにより
デスの災厄から免れた
シリウス達は
ウコムの用意した船に乗り
ベント帝国へ向かう事となった
しかしその船は
通常の旅客船とはまったく異なる
荒々しい海賊の船だった
開戦!海上に吼える十字砲火(クロスファイア)
シリウス:ウコム様、用意してくれたこの船って……
ウコム:良い航海を。無事を祈ろう。
しりう:ちょ、ちょっとウコム様!
ソティ:乗ろ。お兄様。
しりう:し、しかしベントの船とは比べ物にならないほど粗末だ。
これで航海ができるのか?
タチアナ:外側だけじゃなく、内側もボロッボロだよ?
海賊:海賊船じゃ不服とでもいうつもりか?
しりう:海賊!?皇子という身分で、海賊と共に旅をするなど……
かいぞ:冗談もほどほどにしやがれ。海の上ではな、男も女も王も奴隷も平等なんだよ。
たちあ:なにそれ、なんか怖い。女の子扱いくらいはしてよ!
かいぞ:イヤなら降りるんだな!
しりう:なんだとっ!
???:待ちなっ!
海賊シルバー登場
かいぞ:お、親分!このガキどもが俺たちを馬鹿にするもんでして……
やっちまってもいいですかい!?
???:バカども。待てっていってんだよ。
この三人はウコムに頼まれた客人だよ。丁重にもてなしな。
かいぞ:えっ、ウコ……!?
シルバー:坊ちゃん、それとお嬢ちゃん達、あたしはシルバー。この船の持ち主だよ。
しりう:ってことは、あんたがこの海賊たちのリーダーなのか?
しるば:あたしが親分、あんた達は子分。無理強いはしないよ。降りたきゃ降りな。
そてぃ:……さっさと行こ。
しるば:顔色一つ変えないなんてずいぶん胆のすわったお嬢ちゃんね。気に入ったよ。
出航だ!
しるば:しけてきたね。イヤぁ~な波だよ。
かいぞ:親分、魔物の数も増えてきましたぜ!
しるば:怯むな!前進だよ!!
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たちあ:やっと天気も落ち着いてきたね!
しるば:魔物の群れも悪いだけじゃないね。ほら、これを見なよ。
たちあ:うわっ!なにこの宝物!!
宝箱
しるば:魔物を倒した渦から見つかったんだよ。
お前達、魔物討伐後の宝は、見つけたヤツのモノだよ!
どんどん倒して、宝を拾うんだよ!!
かいぞ:おおおお!!!見つけまくるぜー!!
たちあ:わたしたちもいっぱいいっぱい……あれ、どうしたの?顔、まっさおだよ?
しりう:い、いや……なんでもない……
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しるば:あんた達、なんでベントなんかに行くんだい?
しりう:しばらく国を空けている間にディステニィストーンの情報が集まっているかもしれない。
しるば:ディステニィストーン?また大それた話だね。
それに「国を空ける」だなんて、国を自分の持ち物みたいに言って平気なのかい。
しりう:私達は、ベント帝国の第一皇子と第一皇女だ。
しるば:本物だったのかい!?
しりう:気にしなくていい。海の上では平等なんだろ?
しるば:ああ、そのとおりさ。全速前進!!
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しるば:……う~ん。
たちあ:どうかしたの?
しるば:妙だよ。魔物の数が多いね。
お前達、航路は外れていないかい?
かいぞ:いつもの通りでさあ。方角も間違ってませんぜ。
しるば:そうかい……う~ん。
たちあ:気のせいじゃない?
しるば:ならいいけどね……さて、魔物でも倒しながら進むとするかい。
そういえば、坊ちゃんは?
たちあ:なんかまっさおな顔してフラフラ船尾の方に歩いて行ったよ。
しるば:これくらいで、まったく。
そてぃ:…………
海が……落ちる……
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シルバーが魔物を斬りまくる
かいぞ:おっ、お見事…さすが親分!
しるば:甲板に上がってきた魔物は全部始末したよ。
かいぞ:親分!!12時の方向に船影が!
しるば:ん、あの船影は…
船
しるば:またあのポンコツ船か……客を乗せてるってときに魔物より面倒だねえ。
たちあ:何かあったの?
しるば:前を見な。
たちあ:うわっ!な、何、あれ!?
しるば:しつこくて面倒なヤツらさ。いつもの軽く相手してやるんだけど今日は客人を乗せてるしね。
急速旋回して逃げるよ。少し揺れるから気をつけろ!
しりう:わ、わかった……いや、お手柔らかに行ってほしい。
しるば:男だろ。船酔いくらい我慢しろよ!
しりう:……あ、ああ。
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???:ハッハッハッハー!ぶっ放せ。
謎の海賊:へい、キャプテン!
大砲ドーン
かいぞ:親分、ヤツらの弾が帆に命中しやがった!帆に穴が……!
しるば:なんだって!?仕方ない、面舵だよ!
かいぞ:で、でもそっちには魔物の海が……
しるば:何言ってんだい!ヤツらも魔物の海なら思うように動けないだろ!
あんた達、悪いね。ここからはもっと魔物が出てくるよ!
しりう:わかった。頼むから……あまり揺らさないでくれ……
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しるば:ちっ、追いつかれたか!帆に穴が開いちゃあ、さすがに思うように動けないか。
???:グハハハ!
ブッチャーカットイン
ブッチャー:このブッチャー様に恐れをなして逃げだすたぁ、焼きが回ったなぁ、シルバー。
しるば:ちっ、相変わらず鼻に付く野郎だね。
しりう:おい、シルバー親分。私達を海賊同士のいざこざなんかに巻き込まないでくれよ。
ぶっち:ガキ、悪ぃな。海賊はなめられちゃおしめえだ。
襲った船の奴らは、必ず皆殺しにするんだ。
しるば:……らしいけど?
しりう:しかたない……ソティ、私達も応戦するぞ!揺れが弱ければこっちのものだ!
ぶっち:てめえら!かかれえ!!
ブッチャー海賊団:おぉぉおおおーー!!!
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シリウスとブッチャーがキンキーン!
しりう:ブッチャー!貴様に怨みはないが、その首、もらいうける!!
ぶっち:まままままて!お宝全部やるから!!
しりう:問答無用!
ぶっち:ぎゃーーー!!
一閃!
ぶっち:……あ、あれ?死んでねえ。
シフ登場
ぶっち:せ、先生~。助かったぜ!こいつをやっちまってくだせえ!
???:悪いね。そんな気はないんだ。
しりう:誰だ!
シフ:バルハル族の戦士、シフ。訳あって、海賊船で送ってもらうとこだったんだよ。
しりう:私達と、同じか……
しふ:こんなヤツらと戦っても、埒があかないよ。坊やも傍観してた方がいい。
そてぃ:……海が落ちてる。
しりう:ソティ、なんだ?こんな時に──
!!!
みんな、戦ってる場合じゃない!海を見ろ!!
海の主ザパーン
しるば:あ、あれは、海の主!
しりう:海の主だと!?先日撃退したと思ったら、またか!!
しるば:ブッチャー、一時休戦だよ!
ぶっち:ちっ!てめえら、船に戻るぞ!
しるば:両海賊たち、よく聞きな!あの渦に飲まれたらおしまいだ!船を全速で渦から遠ざけるんだよ!
ぶっち:油断すんじゃねうぞ!渦から魔物も出て来やがる!追っ払いながら船を離せ!!
しふ:さて、あたし達は魔物を追っ払う方だね。
しりう:よし、や──あ、あれ……ソティは?
しふ:あの娘なら、ほら、向こうの船だ。
しりう:混戦だったし、仕方ないか。
ソティー!無事かー!?
そてぃ:…………
しりう:終わったらそっちへ行く!とにかく今は魔物どもを倒すぞ!!
そてぃ:……うん。
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化石魚ざぱーん
モンスター:グルルルル……
しるば:坊ちゃん、気をつけろ!!
しりう:ぐぁぁ!!!!
ちっくしょう!!!ガタイが違いすぎる……
しふ:下がってな、坊や。
ハヤブサ返し!!
シュッシュ!キュピーン★
もんす:ギギギギギギィーー!!!
しりう:す、すごい見事な太刀筋だ!
しふ:姿や大きさに飲まれたらその時点で負けさ。
男の子なんだろ?どっしり構えな!
しりう:負けてられない!やってやるぞ!!
シリウス無双
ぶっち:シルバー、こっちは準備万端だぜ!!
しるば:よし!それじゃありったけの弾をぶちこむよ!
大砲ドーン ドドーン
海の主に直撃
ぶっち:よっしゃ!急所に当たったぜ!!
しるば:なにいってんだい!あたしの弾が捉えたんだ!
ぶっち:あんだと?こっちからは敵に当たった姿がハッキリ見えてんだよ!
しるば:あんたの腕で当たるもん──
──危ない!!
海の主の背面アタック
ぶっち:嬢ちゃん危ねえ!どけっ!!!
そてぃ:キャッ!!!
海の主ダイブ★で船壊れる
しるば:全員海に投げ出された!こっちの船に引きあげるよ!
急いで船を寄せるんだよ!!
しりう:ソ、ソティ!!今行くぞ!!!
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しるば:ブッチャーとお嬢ちゃんは見つかったかっ!!
かいぞ:まだ捜してますぜ。
たちあ:あ、あそこ!ブッチャーがソティを抱えて!
ぶっち:ふうほらよ、嬢ちゃん連れてきたぜ。
濡れたソティ
しりう:ソティ、目を開けろ!開けてくれ!!
しるば:海水をしこたま飲んでる。腹の中の海水を出してやらなきゃだよ。
しりう:人口呼吸だな!
ぶっち:このブッチャー様に任せな!海賊流のちょ~取って置きの人口呼吸があるんだぜ。
しりう:ソティに寄るな、ケダモノ。
ぶっち:な、なんだと!?ガキだから今まで優しく接してやってんのに──
しりう:うるさい。ガサツさが、こっちにまでうつる。寄らないでくれ。
ぶっち:この野郎、さっきのケリをつけてやろうか!?
そてぃ:……ん。
しりう:気が付いたか、ソティ!!
しるば:よかったねぇ、お嬢ちゃん!
ぶっち:ちっ……
そてぃ:……ん?
しふ:さてと、お別れだね。わたしもまた向こうの船に乗せてもらうとするよ。
しりう:ありがとう、シフ。ベントに来ることがあったらぜひ城に寄ってくれ。
しふ:なぜだい?
しりう:ああ、自己紹介が遅れてすまない。私はベント帝国皇帝ダイムラーが第一皇子シリウス。
そてぃ:……第一皇女……ソティ。
しふ:え?それはおかしいね、坊や。
最近、ベントで新しい皇帝が即位したって聞いたばかりだよ。
ダイムラー様のご子息が即位したんじゃないのかい?
しりう:!!!
新しい皇帝!?あ、ありえない!私達はここにいる。
しふ:ただの噂話かもしれないし、行ってみればわかるってもんさ。
しりう:シルバー親分、ベントまで急いでくれ!
しるば:任せな!全速前進!
海賊シルバー、ブッチャーとともに
海の主を打ち破った
シリウスとソティ
たどり着いた祖国で
二人を待っていたのは
新たに即位した皇帝に
支配されている
変わり果てた
新生ベント帝国だった──
次回
潜入!ベント帝国の新皇帝を探れ!
──その前に
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